大腸内視鏡の質とは

腺腫発見率が大腸内視鏡の質の指標です。
米国消化器内視鏡学会ガイドラインでは、高い質の検査を受けるために患者から術者に「あなたの腺腫発見率はどのくらいか」と質問をするようにもとめ、腺腫発見率25%以上(全体)であるべきとしています(Gastrointest Endosc 2017;86 : 18-33)。

大腸内視鏡検査で1つ以上の腺腫が見つかる確率を腺腫発見率といいます。
腺腫発見率が25%とは、100人中25人に腺腫が発見される確率です。

腺腫とは、癌化する可能性のある腫瘍性ポリープです。
2つの大規模な検証から、腺腫発見率が上がると、がんの危険性が減り、大腸癌死亡率が低下することが証明されました。(N Engl J Med 2010;362:1795-1803、N Engl J Med 2014;370:1298-1306.)

当院の腺腫発見率、大腸がん発見率

例数腺腫発見率大腸がん発見率期間
1-10048%3%20/3-21/3
101-20062%3%21/3-21/10
201-30066%4%21/10-22/6
301-40052%7%22/6-23/3
401-50056%5%23/3-23/10

集計方法:当院で大腸内視鏡が初回、かつ病理で診断が確定したもの。

抜去時間について

腺腫発見率に関連するものに、抜去時間が挙げられます。
一般に大腸内視鏡ではまず奥まで挿入し、抜去しながら観察します。抜去時間=観察時間とみなします。
大腸内視鏡は見逃しの多い検査のため丁寧に検査することが求められます。
抜去時間が6分未満の群と6分以上の群で比較したところ、6分以上の群で腺腫発見率が高くなるという報告があります。(N Engl J Med2006;355:2533-41.)

当院では丁寧な観察を心がけているため、観察時間は20分前後かかります。生検やポリープ切除など、処置が加わると更に時間がかかりますのでご了承ください。

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